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[読書]予想どおりに不合理 

日頃の行動を客観的に観察してみると、実に不合理な選択をしていることがわかる。
そんな事実を、様々な実地実験を通して示してくれる一冊だ。

冷静に考えればそんな選択はしないはずなのに・・と、ショックで軽く眩暈がしてしまう感覚。
しかし誰しもが図星である部分を備えており、納得せざるを得ない結果ばかりなのが、さらなるショックを引き起こす。

このような実際の行動と照らし合わせて経済動向を考える分野を「行動経済学」という。
この本はまさしく「行動経済学」を扱った本で、数々の楽しい実験を通して、行動経済学の一端を垣間見せてくれる。
実際の行動を観察する、という部分が基礎になっている分野だけあって、理論を提示して読者を納得させるなんてことはしない点も素敵。

原著は“Predictably Irrational”、MITのAriely教授による著作だ。
文末の参考リンクでもいくつか書評記事を紹介するが、全てにおいて高評価が下っているあたり、この分野でも注目すべき一冊なのだろう。
本書で言っていることは、ある意味では簡単だ。
普通の経済学は人間の消費行動を理想的なものとして捉えているけど、実際には不合理な選択を沢山しており予想が非常に難しい、ということを示している。
それを導くために、345ページに渡って面白い事例がちりばめられている。

中でも面白かった指摘や気付きを幾つか挙げよう。
(皆、薄々気づいていることばかりではあるのだけど)


  • 相対性の真相と、需要と供給の誤謬
    人間は絶対的な価値で物事を捉えるのがとても苦手であり、大抵は他の物と比較して物事の価値を判断している。
    この手法は広告にも応用されているし、自身の判断基準としても根付いてしまっている。
    そして判断基準としての価値観は、初めに植え付けられた印象に強く引きづられる。
    その威力は想像以上で、インプリンティングはひな鳥だけではなく、人間を操るにも強力な手段になりうることに気付く。

  • ゼロコストのコスト
    無料と謳うことの威力、これもまた想像以上だ。
    金銭価値としては同じだけ割引しているのに、無料になったとたん人は群がるという事実。
    そして無料の魅力に抗うことが難しいのも事実なのだ。
    世の中に「無料」を謳ったサービスや売り方は数多いけど、その威力を知っているのと知らないのとでは、対峙の仕方が異なってくるはず。

  • 社会規範のコスト
    社会規範である、という認識下での行動は、コスト意識を著しく減少させる。
    貨幣による報酬が与えられたとたん、楽しさが減り、取り組む人がいなくなってしまうのだ

  • 性的興奮の影響
    性的興奮の環境下ではまともな判断ができないというのは、なんとなく直感的だけど、その度合いは想像を遙かに超えている。
    異性の魅力に振り回されないよう注意しましょう。w

  • 選択肢を切る
    人は選択肢を与えられると、ほとんど差がなくてもなるべく全てを残しておきたくなる。
    選択肢を切ることには、精神的に強いストレスを感じるようだ。
    ただ、数ある選択肢からどれかを選ぶという行動は、時間が一番貴重な資源となった今という時代においては重要なファクタになるだろう。
    Webが普及したおかげで、良くも悪くも出来ることが膨大に目の前に見えるようになってしまった。
    全てをちょっとずつ、というのは魅力的に映るのだけど、浅く広くで終わる可能性が高い。
    子供に沢山のことをさせたい、という思想を持つ親は多いだろうけど、行き帰りや準備の時間を考えると、他方のスキルをどれだけ伸ばせるだろうか?
    この指摘は、自分にも当てはまる部分が多くて、反省させられる内容だった。

  • 価格の力
    人は価格が高い方が、効果があるに違いないと考えてしまう。
    これはいかにもありがちな感覚で、薬や手術など深刻な事態になるほどその傾向は顕著だ。
    「プラセボ効果」が生まれるだけのことはある。

  • わたしたちの気質の背景
    不正が少しでも可能な状況下では不正に走りやすい
    そして、どれだけ不正がしてもばれないような状況であっても、一定水準以上の不正しない。
    普段健全な人でも、多くの割合でこんな行動を取るというのは、なかなかの衝撃。
    自分は正直で正しくありたいという思いが、大きく箍を外すことをとどめるが、不正だと考えない程度の不正には至りやすいのだ。
    さらに現金に直接触れる場合には不正の大きさが少ないのに対し、何か他のものを介した途端、不正の大きさは急に深刻なものになる。
    罪悪感が働きにくくなるのだ。



もちろん人の行動は文化にも大きく影響されるため、アメリカにおける実験には納得のいかない部分もあるだろう。
しかし、それを考慮に入れても、人が如何に不合理な行動を取っているのかを知ることはショッキングだ。

一般の人が読むと衝撃的な実験に関心させられることしきり。
マーケティングや広告などビジネス的な視点から読むと、新しい切り口での提案が可能になりそうだ。
すなわち、万人にオススメの一冊といえる。


参考:
Predictably / Irrational
http://www.predictablyirrational.com/


404 Blog Not Found:予想以上に合理的! - 書評 - 予想どおりに不合理
http://blog.livedoor.jp/dankogai/archives/51142124.html


シロクマ日報 > 『予想どおりに不合理』を読んだ後は、『人は意外に合理的』をどうぞ : ITmedia オルタナティブ・ブログ
http://blogs.itmedia.co.jp/akihito/2008/11/post-8d9e.html


ぽっぺん日記@karashi.org(2008-11-08)
http://www.karashi.org/~poppen/d/20081108.html



予想どおりに不合理―行動経済学が明かす「あなたがそれを選ぶわけ」
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予想どおりに不合理
  • ダン・アリエリー/熊谷 淳子 訳
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書評/経済・金融

  • [2008/11/27 22:43]
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