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[読書]声の文化と文字の文化 

タイトルの「声の文化」とは、人類が文字を発明する前の文化を指している。
対して、「文字の文化」とは文字を発明し、さらには印刷技術を編み出すに至る文化を指す。
原著は1982年、日本語訳が1991年になされている。
まずは、メモを兼ねて内容について書いておこう。(「」内は目次から引用)


 第1章 声としてのことば
 第2章 近代における一次的な声の文化の発見
 第3章 声の文化の心理的力学

声の文化では声だけでコミュニケーションをとり,情報を伝達しなくてはならない。
その文化圏における主な情報伝達手段は、スピーチである。
紙のような便利な記録媒体がないため,周囲の人々へ語りかけることで聴衆の記憶の中に、重要な情報を記録するのである。
人々の記憶のみに頼るため、不必要な情報は捨てられ,必要な情報は練り上げられていく。
情報の取捨選択が激しく、口伝による伝達に頼るがために情報自体の変化も激しくなる。


 第4章 書くことは意識の構造を変える
 第5章 印刷、空間、閉じられたテクスト

人類が普遍的に利用する記号として、アルファベットは偉大な発明だった。
記号化により、音声としてのことばの視覚化ができるようになった。
ただし、印刷技術が発明されるまでは、あくまで話しの内容を書き起こしたものだけであった。
複製するにしても、書き写す必要があるため、内容は変化していく。
さらに見易さの観点からも、見づらいものが多かったようだ。
(内容と関係のないTheがページの大半を使っているなど)
また、はじめのころは不特定多数をイメージして書くことはなされず、相手に語りかけるように執筆されていた。
印刷技術の開発は、情報伝達手段のさらなる飛躍を実現した。
大量の複製が作れるようになってから、今の小説などができたのである。


 第6章 声の文化に特有な記憶、話のすじ、登場人物の性格

声の文化では、挿話の寄せ集めから、系統だったシナリオを練り上げるのが、伝達者のスキルだった。
話しも場当たり的であり、話がそれることもままあったようだ。


さて、現在はエレクトロニクス分野も発達し、情報は新たな形で伝達されている。
ラジオやテレビからの二次的な音の文化に加え、インターネットにより高速な情報交換がなされる世の中になった。
著者が執筆当時には思いもよらなかった世の中になっているだろう。
インターネットを使えば、一瞬ではるか遠くにまで情報を伝達することができる。
一般に普及が進んで約十年が経過したわけだが、情報伝達の文化として、この先どのような進化を遂げるのか、とても興味深い。

あと、あとがきを読んで分かったのだけど、この本は一橋大学の博士課程の学生3人が訳して出版にこぎつけたらしい。
すばらしい本にめぐり合う運、発掘する能力、そしてじっくりと練りこんで邦訳をするのはかなりの労力だと思う。
学生時代にできるだなんて、素直にすごいなぁと思った。


  • [2006/11/27 08:46]
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