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[読書]透明金属が拓く驚異の世界 

細野秀雄、神谷利夫著。
お二人は東京工業大学の先生。

本書は、材料化学の最先端を垣間見せてくれる作品である。

そもそも、透明金属とは何だろう。
読んで字の如く、透明な金属、可視光を透過し通電する物質を指す。
一瞬、そんなもの見たことないよ、って思ってしまうかもしれないけど、すでに身の回りには多くの透明金属が利用されている。
液晶テレビやタッチパネル、太陽電池、熱線反射パネル等では欠かせない部品なのだ。

本書では、基礎の部分から解説を行い、いかにして透明金属を実現するかの解説に、力が注がれている。
透明金属の実現をゴールとした場合の問題や、さらなる応用に関して、以下の順に説明している。
  1. 透明とは何か
    光のスペクトルと色の対応の解説に始まり、光の反射と透過の観点から透明とは何かを論じている。
    同じ炭素から出来ているダイヤモンドと鉛筆の芯。なんでこうも見え方が違うのか。そんな疑問も氷解。
  2. 電気を通すものと通さないもの
    金属、絶縁物、半導体などを紹介しつつ、電気を通す性質を解説している。
    電子と正孔、p型半導体、n型半導体とか、昔勉強したので懐かしかった。
  3. 色と電気伝導度の関係
    透明で電気を通す物質を作るのが、なぜに難しいのかを解説している。
    エネルギーギャップと、ドーピングがミソなのかな。
  4. 透明金属の実現
    透明金属を如何にして作るか、さらに透明半導体や発光ダイオードを作る方法などを解説。
    材料工学の本領発揮、といった感触。
  5. さらなる応用
    プラスチックの表面に透明なトランジスタを配置してみたり、セメントを構成する物質で透明金属が作れることを示したり。
    知的興奮が高まる部分。
    分子構造をいじくりまわし、電子をドーピングする様子は、もはや創造主のイメージすらある。


本書の副題は「不可能に挑むナノテクノロジーの錬金術」だが、まさに言いえて妙。
従来から身の回りにあるガラスやセメントすらも、構造を解析・理解し、イオンや電子を操ることで、透明な金属に姿を変えるのだ。

ただ、本書はややハードルが高いかもしれない。
やさしく書こうという努力は見られるのだけど、どうしても内容は高度になりがち。
スペクトルの概念、電子工学(特にデバイス)、化学(化学構造?)をすべて抑えていると、すらすらと読めるのだろうけど。
工学出身の自分にとっては懐かしく読める部分も多かったのだけど、全く知識が無い場合には簡単にでも上記分野の基礎を抑えておくと理解が深まると思う。
私自身、化学構造に関しては、言っていることは分かるのだけど、理解はあいまいなままだ。^^;

しかし、このハードルを乗り越えて読みきったときには、達成感と知的興奮を味わえるのは間違いない。
先端の化学や材料化学に興味がある型には、おすすめ。


透明金属が拓く驚異の世界 不可能に挑むナノテクノロジーの錬金術 (サイエンス・アイ新書)
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書評/サイエンス

  • [2007/05/03 23:39]
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  • [2007/10/07 12:42]
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