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[読書]フラット化する世界 

2006年に邦訳出版され、日本でも話題になったビジネス書。
分野的には社会経済学に分類される。
ピュリッツァ賞を3度受賞したジャーナリスト、トーマス・フリードマンの著作である。

出版の時系列が逆にはなるけど、インドを代表するIT企業ウィプロの本を読んだ後に読み始めたため、本書で言っていることが、着々と現実になっていることが実感できた。

本書でいう「フラット化」とは何か。
これまでは先端テクノロジを使った生活や仕事は、先進国だけに与えられていたともいえる状況だったが、インターネットの発達やサプライチェーンの広がりによって裾野が広がり、途上国にも多くが流入しており、今もそれが加速しているという変化を指している。
現にコールセンターや製造工場をインドや中国に置く企業には、枚挙に暇がない。

フラット化の影響は多種多様であり、本書ではそれらを広く扱っている。
以下では、自分が気になったトピックをメモ代わりに紹介しておこう。

○企業への影響
フラット化が進むと、企業は無駄を省いた経営、例えるなら脂肪をそぎ落としたような業態が求められる。
アウトソーシングやサプライチェーンの影響により、労働力と物品が安価に調達できるため、熾烈な価格競争にさらされるが、一方では企業は成長を求められるのだ。
儲けが多くなれば株主は喜ぶし、モノが安くなれば消費者も喜ぶ。
しかし、高い利益を求めるためには、コスト削減や効率化が強く求められることになり、そのしわ寄せは従業員に及ぶ可能性がある。
時には、コスト削減の対象が人件費に及び、給与に影響がでるかもしれない。

○仕事内容の変遷
いわゆるチープ革命が進んだ現代では、多くの業務が途上国へアウトソースされる。
この先、プロフェッショナルに対して求められるのは、アウトソースが不可能なセンスや統合力といった唯一無二の才能なのだ。
企業を支える大きな労働力の大半は、ミドルクラスのものがほとんどであるが、今後のミドルクラスに求められる能力は、非常にシビアなものになる。

○地政学の影響
フラット化を語る際には避けて通れない問題だろう。
テロの脅威や文化の違い、天災の影響など、物理的な距離による影響は依然として残る。
今後、さまざまな文化圏の人たちがどのように対応していくのか、非常に興味深い。
国際社会における、国家の体制が問われる時代といえる。


本書を一通り読んだあとの、最初の感想は、今後日本の若年層が生きる時代は大変になりそうだな、といったものだ。
特にこれから生まれる子供たちの過ごす時代は、熾烈な国際競争に巻き込まれるはず。
日本は今のところ先進国として位置づけられ、豊かな生活が保証されている。
しかしフラット化が進む中で、要求される高い能力や賃金の低下など、先進国であるほど負の影響も大きなものになると思う。
もちろん、この波にうまく乗れる人は、大きな舞台で活躍できる時代になるのだけど。

本書は、グローバルな視点で社会経済を見つめるという意味で、全ての人に読んでもらいたいと思える書籍だ。
自分たちが過ごした時代とは、情勢がまるで異なる時代がやってくるのだと認識できるため、経営者や技術者だけではなく、子育てや教育に関わる人たちにもオススメしたい一冊。


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  • [2007/11/28 08:44]
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