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[読書]中国の環境問題 今なにが起きているのか 

タイトルから批判本かと思いがちだが、決してそうではない。
世界陸地面積のうち7%を占め、その上に人口13億人を擁する中国の環境問題は、もはや一国の問題ではなく、世界の問題として捉えて解決を図ろうと訴える一冊だ。

2007年には食料品の衛生問題や、工業製品に規定以上の有害物質含まれるなど、中国の抱える問題が日本のお茶の間を大いに賑わせた。
近年急激に発展を遂げている中国は、環境問題だけではなく幅広い問題を抱えているのだ。
日頃、ブラウン管を通してこれらの情報を得ることは多いが、実感を伴わないのも事実。
本書ではかつて日本が抱えた問題と照らし合わせることで、問題を身近なものとして描き出すことに成功している。

戦後、急激な経済発展を遂げた日本では、生活インフラ不足や公害問題に立ち向かい、解決を図ってきた。
上下水道・電線の整備、交通インフラの確保などを行う一方で、それらの開発に付きまとう水汚染、大気汚染、土壌汚染といった問題を解決してきたのだ。
日本で培ったこれらの技術やノウハウを、中国の問題解決に役立てるべきだという訴えはごもっとも。


一方では、日本と中国との間には大きく異なる部分もある。
例えば、深刻な水不足は、日本にとってはあまり馴染みのない問題だ。
特に人口の集中する都市部での水不足は深刻だが、北京では2008年の五輪開催までに水不足を解消するとしている(水不足だけではなく水の品質も)。

また、日本とは比較にならないほど広大な国土も問題を多種多様なものにする要因になっている。
例えば場所によって気候が大きく異なるために、水不足や砂漠化といった事態が起きている。
一方では国土が広いが故に管理が行き届かず、法がほとんど効力をなしていない場所もある。
田舎に行けば行くほどその傾向は顕著で、今後統治に向けた中国政府の手腕が問われるところだ。


先に述べたように、これらの環境問題の引き金になっているのは急激な経済成長である。
これは膨大なエネルギー消費に直結しており、石炭、石油、ガス、水などあらゆる資源を食い尽くす勢いだ。
特に近年問題となっている、化石燃料やレアメタルなどの資源不足の一因となっているのは間違いない。
もちろん中国も資源不足を深刻に考えており、石油産出国との独占取引を成立させるなど、囲い込みに入っている。
これが他の経済国との軋轢を生んでいる部分もあるようだ。

本書を通して、唯一残念だったのは図表が少なかった点で、文章中に数字が頻発するため読み進めるのに少し時間がかかってしまった。
それを除けば、10%弱という驚異的なGDP成長率の裏に潜む、種々の問題へ迫った良書といえる。


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書評/ルポルタージュ

  • [2008/01/19 01:23]
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