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[読書]フタバスズキリュウ発掘物語 

人生を通じて成した仕事が、つまらないわけがない。
本書は、長谷川善和さんが約40年に渡って従事した研究を紹介する一冊である。
タイトルの通り、内容はフタバスズキリュウという、クビナガリュウの発掘にまつわるものだ。

時は1968年。
高校生が「骨の化石を発掘した」と専門家に便りを送ったことから物語は幕をあける。
当時の日本では、恐竜の化石が見つかることはなく、ましてやクビナガリュウの化石の存在など知られていなかった。
しかし、恐竜の化石かもしれないという可能性に気づき、専門家に相談を持ちかけたのは、発見した学生さんの英断だった。
その後、現地に赴いた専門家たちはその発見の重大さに気づき、自費で費用を工面しながら発掘を進める。
世紀の大発見であることが徐々に分かっていく様子は、門外漢の私にとっても知的好奇心を存分にかきたてるものだった。

その後、新聞社をスポンサにつけ、クビナガリュウの発掘は一大プロジェクトとなった。
報道が条件になったとはいえ、新聞社がスポンサになったのは大きな後ろ盾になったはず。
古生物学や考古学といった分野に光が当たったのは、貴重な対外アピールの機会だろうから。

本書の終盤では、人材不足や論文発表の苦悩にも近い独白が続く。
学界で生き抜くには強いモチベーションが必要だと思うのだけど、どの分野を見ても、それだけの興味を抱かせる教育体制が整っているとは言い難いかも。
世界の論文を精査し発表することの苦しみは、約40年を経て論文発表にいたっていることを思えば当然だろう。
古生物学の発掘調査という分野には、独特の世界感がありそうだけど、とても大変な作業だということは想像に難くない。
ある意味では、このような苦悩を抱くに至る点がプロとアマチュアの違いとも言えるのかも知れない。

後に映画「ドラえもん のび太の恐竜」が制作されるなど、クビナガリュウは日本に恐竜ブームをもたらした。
これだけ大きな成果を残せたことを思えば、筆者はとても恵まれた学者人生を送っているように感じた。

門外漢だからこそ楽しめる、科学読本の秀作といえる。


  • [2008/06/03 12:21]
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