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[読書]夜にその名を呼べば 

※ネタばれを含みます。

初めて読む佐々木譲作品。
佐々木譲といえば警察小説で有名だけど、「夜にその名を呼べば」は1992年の作品なのでやや古め。
今回ハヤカワ文庫から文庫化されるということで、機会に恵まれ手に取るに至った。

時代は遡り、冷戦時代。
当時は自由主義国家と共産主義国家の間における貿易が緊張に満ちていた。
特に軍事機密が漏れることには敏感で、水面下では壮絶なスパイ戦があったと言われる。

そんな時代にありながら、ハイテク機器を日本から共産主義国家に対して輸出するという、違法な貿易を商いにしている企業があった。
その真っ黒な企業に属しているのが主人公。
過去に成立させた取引が明るみに出てしまい、その罪を着せられ逃亡生活を余儀なくされてしまう。

主人公が失踪したあと数年が過ぎ、ベルリンの壁崩壊。冷戦時代は終焉を迎えるのだった。
主人公の行方は謎のままだが、日本の関係者達の間では壮絶な物語が織りなされる。
一つの港町を舞台にして繰り広げられる、愛憎劇が物語の中心だろう。
警察小説の大御所だけあって、警察の動きに関してはとても細かい描写がなされているのが印象的。

ベルリンの壁崩壊が起きたのは、私が小学校に入った頃だったと思う。
テレビに映し出される、民衆達の手によって壁が壊されていく様子をぼんやりと、どこか他人事のように眺めていた記憶がある。
時代は移り変わったとはいえ、自分の生きた時間が物語の世界にも流れていると思うと、リアルに感じられるのが凄いところだ。

読了後は、冷戦時代の世相を象徴したかのような、暗く冷たい感覚を覚えた。
世界を覆う緊張感をうまく表現した一冊だと思う。


夜にその名を呼べば (ハヤカワ文庫JA)Amazonで購入
書評/ミステリ・サスペンス

  • [2008/06/26 22:59]
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